ガミースマイルは気持ち悪い印象を与える?解消方法を解説

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ガミースマイルは気持ち悪い印象を与える?解消方法を解説

笑ったときに歯茎が3mm以上見える状態のことを「ガミースマイル」と呼びます。このガミースマイルに悩む方の中には、「自分の笑顔が気持ち悪いと思われているのではないか」と不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。しかし、ガミースマイルは原因に合わせた治療を行うことで改善が可能です。

そこで本記事ではガミースマイルの原因や解消方法について解説します。ガミースマイルで悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。

ガミースマイルとは笑うと歯茎が過剰に見える状態のこと

ガミースマイルという言葉は、英語で歯茎を意味する「Gum」に由来しています。笑顔を見せた際に歯茎が通常以上に見える状態を「Gummy smile」と呼び、それが日本語に訳されてガミースマイルとなりました。

歯と歯茎のバランスが気になる方の中には、「自分の笑顔が気持ち悪いと思われているのではないか」と不安を感じる方もいらっしゃいます。しかし、ガミースマイルだから容姿が悪いというわけではありません。芸能人やモデルにもガミースマイルの方はおり、チャームポイントとなることもあります。

笑ったときに歯茎が3mm以上見えるとガミースマイル

笑ったときに歯茎の露出が3mm以上ある状態をガミースマイルと呼びます。ガミースマイルでも人により歯茎の露出具合は異なり、歯の長さに対しての歯茎の見え具合で軽度・中度・重度に分けられています。

永久歯の歯の長さは約10〜11mmなので、それに対して歯茎の長さを計算しました。

程度歯の長さに対する比率笑ったときに見える歯茎の長さの目安
軽度50%以下約3〜5mm
中度50〜100%以下約5〜10mm
重度100%以上約10mm以上

50%以下は、軽度のガミースマイルで気にならない方もいます。50%を超えると歯茎が気になる方が多くなり、10mm以上になると歯と歯茎の比率が同じか、歯茎の方が見える幅が広くなるため、笑ったときの歯茎の印象が強くなります。

ガミースマイルが気持ち悪い印象を与える理由

ガミースマイルが気持ち悪い印象を与える理由

美醜の感覚は個人によって異なりますが、ガミースマイルが気持ち悪いと感じられてしまう理由はいくつか考えられます。

以下では、ガミースマイルが気持ち悪い印象を与える理由について詳しく解説します。

口元のバランスが悪く感じられる

笑ったときに歯茎が見え過ぎると、口元のバランスが悪く感じられ、気持ち悪い印象を与えることがあります。ガミースマイルでは、上唇が通常よりも高く上がるため、歯茎が過度に露出してしまいます。この状態は、多くの人にとって不自然に映り、顔全体のバランスを崩す要因となるでしょう。

美しい笑顔の基準と異なる

一般的に、笑ったときに見える歯茎は1〜2mmが理想的とされています。しかし、ガミースマイルの場合、この基準を大きく上回ることが多く、美しい笑顔の基準とは異なる印象を与えてしまいます。歯茎が見え過ぎても見えなさ過ぎても、多くの人が持つ美しい笑顔のイメージとかけ離れてしまうのです。このズレが、ガミースマイルを気持ち悪いと感じさせる一因となっています。

不衛生になりやすい

ガミースマイルの方は歯茎が露出し、口内が乾燥しがちです。口内が乾燥すると、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなり、口内の衛生環境が悪化する原因になります。

さらに、この状態では臭いの原因となる細菌や食べかすが口内に蓄積されやすくなります。その結果、口臭が強まることがあり、人との対面コミュニケーションを不快にさせる要因にもなりかねません。

ガミースマイルになる主な原因は4つ

ガミースマイルには、骨格や筋肉などさまざまな要因が関係しています。以下では、ガミースマイルになる主な原因を紹介します。

骨格が原因のガミースマイル

上顎の骨が過剰に発達すると、歯や歯茎が前に出やすくなりガミースマイルの原因になります。上顎の骨の過剰発達は遺伝的な要因で起こることが多いですが、口呼吸・唇をかむ・頬杖をつくなどの習慣が起因となることもあります。

筋肉が原因のガミースマイル

ガミースマイルには上唇を持ち上げる働きのある、上唇挙筋(じょうしんきょきん)が大きく関わっています。この上唇挙筋が発達し過ぎると、上唇を引き上げ過ぎるため歯茎が見える範囲が広がりやすくなります。

歯が原因のガミースマイル

歯が小さいと笑ったときに見える歯の面積に対して歯茎の面積が広くなり、歯茎が目立ちやすくなります。また、歯の生える位置が低い場合も歯茎が見える面積が大きくなるため歯茎が目立ちます。

上顎や歯が前に出ることが原因のガミースマイル

上顎の骨が前に出ていたり、長かったりする場合や、出っ歯の場合には、笑うと歯や上顎の形に沿って上唇が持ち上がるため歯茎が露出しやすくなります。

ガミースマイルのデメリット

ガミースマイルのデメリット

ガミースマイルは病気ではないため、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、放置することで次のようなデメリットを引き起こす可能性があります。

精神的なストレス

軽度のガミースマイルで顔とのバランスが取れている場合は、明るく元気な印象を与えチャームポイントになることがあります。しかし、顔とのバランスが悪い場合や、重度のガミースマイルの場合は、笑うことに抵抗感を持つこともあるでしょう。このような状態を放置すると、容姿へのコンプレックスが精神的なストレスにつながる可能性があります。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

ガミースマイルは病気ではありませんが、歯茎が露出し口腔内が乾燥しやすくなることで、唾液による自浄作用が低下し、虫歯や歯周病になるリスクを高める恐れがあります。

口臭が強くなる

口腔内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなります。細菌は口臭の原因となるため、ガミースマイルが原因で、唇が閉じにくくなったり、口呼吸になったりする場合は口臭が強くなることがあります。

ガミースマイルは自然に治ることはある?

ガミースマイルは自然に治ることはありません。インターネット上には、自力で治すトレーニングとして割り箸を使った方法や舌回しなどが紹介されていますが、ガミースマイルが改善できるという根拠はありません。

そもそも、骨格や歯並び、歯の大きさが原因の場合にはトレーニングで改善することは難しいでしょう。しかし、子どもの場合は、永久歯への生え変わりの時期に改善されることもあります。

ガミースマイルの治療ができる場所

ガミースマイルを治療できる場所は、美容外科や歯科です。ガミースマイルは病気ではなく、審美性の問題なので美容外科でも治療を行っています。しかし、ガミースマイルの原因は骨格や歯の長さ、口周りの筋力など人によりさまざまで、改善には原因を正しく判断することが大切です。

まずは、口腔周囲の治療の専門である歯科に相談するのが良いでしょう。外科的な手術が必要な場合には、形成外科と連携して治療をすることもあります。

ガミースマイルの7つの治療方法

ガミースマイルの主な治療方法は7つです。症状により一回の治療で改善することもあれば、複数回治療が必要になったり、複数の治療を合わせて行ったりすることもあります。

以下では、ガミースマイルの7つの治療方法を解説します。

ボトックス注射

ボトックス注射は、ボツリヌス菌の作り出すタンパク質であるボツリヌストキシンを投与する治療です。ボツリヌストキシンには筋肉の動きに関与する神経伝達物質を抑制し、筋肉を麻痺させる効果があります。

軽度のガミースマイルはボトックス注射のみで改善することもありますが、上唇粘膜切除術と併用することも多くあります。

なお、ボトックス注射はダウンタイムが短く、気軽に受けられる治療ですが、効果は永久に続くものではありません。持続期間は3〜6カ月程度なので、効果を持続させるためには繰り返し治療を受ける必要があります。

上唇粘膜切除術

上唇粘膜切除術は、上唇の内側と歯茎を切除して縫い合わせる手術です。上唇と歯茎の長さを短くして上唇の動きを制限することで歯茎を見えにくくします。

上唇の筋力が強いことが原因で起こるガミースマイルに向いている治療で、一度の手術で効果が期待でき、切除部分が内側なので傷口が目立たないところがメリットです。

ただし粘膜の伸長により術後数カ月で後戻りする可能性があります。

上唇挙筋切除術

上唇挙筋は、鼻の横にある筋肉で上唇を上げる働きをします。

上唇挙筋を切除すると、上唇を上げる力が抑制されるため、上方向への唇の可動範囲が狭くなり、歯茎が見える部分が少なくなります。

歯肉切除術

歯肉を切除し、歯茎の面積を減らして歯の面積を増やす方法です。ダウンタイムが短く、傷跡が目立たないことがメリットですが、術後数カ月で後戻りすることがあります。

歯茎が歯を覆う面積が多い方、歯茎のラインが不ぞろいな方、歯が小さい方に効果的です。

歯槽骨整形

歯槽骨整形は、歯肉を切除するだけでなく、骨を削って歯の位置を整える方法です。骨を削ることで歯茎の後戻りが防げます。

アンカースクリュー

ガミースマイルの原因が歯の位置の場合は、歯を上に移動させる歯科矯正用アンカースクリューが効果的です。ガミースマイルの改善と同時に、歯並びや過蓋咬合も治せます。

骨切り手術

骨切り手術は上顎を必要な分だけ切除し、歯列を上に移動させる方法で、上顎の骨が過剰に発達している場合に効果的です。骨を切除するため、後戻りすることはありませんが、数日間の入院が必要です。

ガミースマイルは歯科医院に相談してみよう

ガミースマイルは治療で改善できます。ガミースマイルが容姿へのコンプレックスになっていて、思いっきり笑えないなど精神的なストレスを感じる方は、一度歯科医院に相談してみるのがおすすめです。

中野デンタルクリニックでは、一般歯科から予防歯科、審美歯科まであらゆる歯の悩みの相談が可能です。幅広い診療を行っており、各分野の専門医が在籍しているため、一人ひとりに合わせた適切な治療が受けられます。

公式サイトには、ガミースマイルの治療事例も掲載されているため、口元に悩みのある方はぜひ参考にしてみてください。

松尾 幸一

Supervisor Information

監修者情報 | 松尾 幸一

中野デンタルクリニックの院長。
所属学会
東京SJCD(日本臨床歯科学会東京支部)理事日本口腔インプラント学会、 日本顎咬合学会

一般歯科から矯正、インプラント治療、ガミースマイル治療、審美歯科、予防歯科、歯周病治療まで、幅広い分野で専門的な診療を提供している。
歯だけではない、全身の健康を考えて患者様に向き合うことに重きを置く。

また、科学的根拠を元に、お顔全体のバランスを見ながら、歯や歯茎の見え方を創り出している。
マウスピース矯正などの矯正治療、外科治療、修復治療を組み合わせながら最高のスマイルを生み出すことに全力を尽くし、年間500件以上の施術を対応している。

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